営業日計算で祝日を扱うときの落とし穴
「土日を除けば営業日」という単純な計算は、祝日を無視すると簡単にずれます。祝日の決まり方と、振替休日・国民の休日という見落としやすい2つの例外を整理します。
「土日を除く」だけでは営業日にならない
納期や支払期限を計算するとき、「土曜・日曜を除いた日数」を営業日として扱うことはよくあります。日付の日数計算ツールも、平日 (土日を除く日数) をその考え方で計算しています。
しかし実際の会社や官公庁の営業日は、土日に加えて祝日も休みになることがほとんどです。土日だけを除いて「営業日 10 日後」と伝えると、その期間に祝日が挟まっている場合、実際の営業日はもっと少なくなり、期限をすり抜けてしまうことがあります。祝日を考慮せずに営業日計算をすると、特に大型連休の前後で 1〜2 営業日のずれが生じやすいので注意が必要です。
祝日は法律で決まっている
日本の祝日は「国民の祝日に関する法律」(昭和23年法律第178号、通称・祝日法) によって定められています。元日・成人の日・建国記念の日・天皇誕生日など、具体的な祝日の名称と日付 (または「○月の第○月曜日」といった定め方) がこの法律の第2条に列挙されています。祝日法は法令なので、官公庁の休日 (行政機関の休日に関する法律) や多くの企業のカレンダーの土台になっています。
祝日法の条文は e-Gov 法令検索で確認できます。https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC1000000178
見落としやすい2つの例外
祝日法には、単純に「この日は祝日」という規定以外に、見落とされやすい 2 つの例外規定があります。
振替休日
祝日法第3条第2項は、祝日が日曜日にあたるときは、その日後の最も近い平日 (祝日でない日) を休日にすると定めています。これが「振替休日」で、たとえば祝日が日曜日と重なった場合、次の月曜日が休みになります。カレンダー上は月曜日が「祝日」ではなく「振替休日」と表示されることもありますが、休みであることに変わりはありません。
国民の休日
祝日法第3条第3項は、前日・翌日をともに祝日に挟まれた平日 (「国民の休日」) も休日にすると定めています。祝日と祝日の間に 1 日だけ平日が挟まっている場合、その日も休みになるという規定で、9 月の祝日が並ぶ時期などに発生することがあります。
具体例で確認する
次の表は、祝日を考慮した場合と考慮しない場合とで、営業日の数え方がどうずれるかを示す例です (曜日と祝日の配置は説明用の仮の例です)。
| 期間の考え方 | 土日のみ除外 | 祝日も除外 |
|---|---|---|
| 平日扱いの日数 | 多く出やすい | 祝日の分だけ少なくなる |
| 振替休日の扱い | 平日として数えてしまう | 休日として除外する必要がある |
| 国民の休日の扱い | 平日として数えてしまう | 休日として除外する必要がある |
「土日のみ除外」で計算した営業日数をそのまま納期にすると、実際の稼働日より多く見積もってしまう方向にずれるため、余裕を持った期限設定が必要です。
正確に数えるには内閣府の祝日一覧を使う
祝日は法律の別表に日付が列挙されている祝日と、「○月の第○月曜日」のように計算で求める祝日 (ハッピーマンデー制度) が混在しており、振替休日・国民の休日の判定も含めると人手での確認は間違えやすくなります。年ごとの正確な祝日一覧は、内閣府が公式に公開しています。https://www8.cao.go.jp/chosei/shukujitsu/gaiyou.html
契約書や請求書で「営業日ベースで○日後」という期限を扱うときは、土日だけでなくこの祝日一覧も突き合わせて確認することをおすすめします。
まとめ
- 「土日を除く」だけの営業日計算は、祝日が挟まっている期間では実際の営業日数より多くなりやすい。
- 祝日は「国民の祝日に関する法律」で定められており、振替休日 (祝日が日曜のとき) と国民の休日 (祝日に挟まれた平日) という 2 つの追加の休日規定がある。
- 正確な祝日の日付は内閣府の一覧で年ごとに確認するのが確実。